- スプーンデビューの目安は?歯科衛生士・口育士の視点から
- スプーンデビューはいつから?月齢別の発達目安
- 離乳食初期(生後5~6ヶ月頃):スプーンに慣れる時期
- 相談例
- 離乳食中期~後期(生後7~11ヶ月頃):手づかみ食べの大切さ
- 相談例
- 離乳食完了期(1歳~1歳半頃):スプーン練習スタート
- スプーン練習の前に大切な「手づかみ食べ」
- なぜ手づかみ食べが重要なのか
- 相談例
- 月齢別・スプーン練習のおすすめステップ
- ステップ1:スプーンに触れる・遊ぶ(生後7~10ヶ月頃)
- 相談例
- ステップ2:大人が食べさせる→自分でも持たせる(生後10ヶ月~1歳頃)
- 相談例
- ステップ3:自分で食べてみる(1歳~1歳半頃)
- 相談例
- スプーン練習の成功ポイント
- 1. 焦らず、繰り返し練習する
- 2. 食べやすい食材・食器を選ぶ
- 3. 汚れてもいい環境を整える
- 4. できたらたくさん褒める
- スプーン選びのコツと失敗談
- スプーン選びのポイント
- 体験談
- 失敗談とその対策
- スプーン練習がうまくいかないときのQ&A
- Q. スプーンが苦手、なかなか上達しないときは?
- Q. いつまでにスプーンが使えるようになればいい?
- 歯科衛生士・口育士として伝えたい「食べる力」の育て方
- 口の発達とスプーン練習
- 相談例
- 保育園・幼稚園でのスプーン練習の現場から
- まとめ:スプーンデビューは「焦らず、楽しく」が合言葉
スプーンデビューの目安は?歯科衛生士・口育士の視点から
赤ちゃんが自分でスプーンを使い始める「スプーンデビュー」。私自身、歯科衛生士・口育士として多くの親子さんと関わるなかで、「いつから始めればいい?」「うまくいかない時はどうする?」というご相談をたくさん受けてきました。
スプーンデビューのタイミングは、赤ちゃんの発達や食への興味、手先の器用さに個人差が大きいものです。しかし、一般的な目安や練習のコツ、そして私自身や保護者の方々のリアルな体験をもとに、月齢別のおすすめ練習法を詳しく解説します。
スプーンデビューはいつから?月齢別の発達目安
離乳食初期(生後5~6ヶ月頃):スプーンに慣れる時期
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この時期は、赤ちゃんが母乳やミルク以外の味や食感に出会う大切なステップ。
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スプーンは「食べさせてもらう」ための道具として使い始めます。
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まだ自分で持つことは難しいですが、スプーンを口に入れること自体に慣れさせることが大切です。
相談例
生後5ヶ月で離乳食をスタート。最初はスプーンを口に入れると舌で押し出してしまい、なかなかうまく食べてくれませんでした。焦らず、毎日少しずつスプーンに慣れるよう、遊び感覚で口元に近づけることから始めました。
離乳食中期~後期(生後7~11ヶ月頃):手づかみ食べの大切さ
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赤ちゃんが自分で食べ物をつかんで口に運ぶ「手づかみ食べ」が始まります。
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この段階がスプーン練習の前提となり、手指の発達や食への意欲を育てます。
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スプーンを持たせてみるのもOK。最初は遊ぶだけでも十分です。
相談例
9ヶ月頃からバナナやおにぎりを手づかみで食べるのが大好きに。最初はテーブルも服も大惨事でしたが、「食べるって楽しい!」という気持ちを大切に見守りました。手づかみの経験が、後のスプーン練習にとても役立ちました。
離乳食完了期(1歳~1歳半頃):スプーン練習スタート
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離乳食が完了し、奥歯も生え始めるこの時期がスプーンデビューの目安です。
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赤ちゃんがスプーンやフォークに興味を持ち始めたら、少しずつ自分で使わせてみましょう。
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うまく使えるようになるのは1歳半~2歳頃が平均的ですが、個人差が大きいので焦らず進めましょう。
相談例
1歳2ヶ月の娘は、私が食事中に使っているスプーンに興味津々。お揃いの子ども用スプーンを用意したところ、自分から持ちたがるようになりました。最初はすくったものを全部こぼしていましたが、「上手にできたね!」と声をかけると嬉しそうに何度もチャレンジしてくれました。
スプーン練習の前に大切な「手づかみ食べ」
なぜ手づかみ食べが重要なのか
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食べ物の感触や温度、硬さを手で感じることで、口に運ぶ量や食べるペースを学びます。
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手指の発達を促し、スプーンやフォークへの移行がスムーズになります。
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保護者にとっては「汚れる」「行儀が悪い」と感じるかもしれませんが、発達の大切なステップです。
相談例
保育園で働いていた時、手づかみ食べを十分に経験した子は、スプーンへの移行がとてもスムーズでした。逆に、手づかみを制限されていた子は、スプーンの持ち方や使い方に苦戦することが多かったです。
月齢別・スプーン練習のおすすめステップ
ステップ1:スプーンに触れる・遊ぶ(生後7~10ヶ月頃)
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スプーンをおもちゃのように持たせてみる。
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口に入れてみたり、食器を叩いたりして遊ぶのも発達の一環。
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保護者は必ずそばで見守りましょう。
相談例
娘はスプーンを持つと、最初は食器をカンカン叩いて遊んでばかり。でも「これはご飯を食べる道具だよ」と優しく声をかけ、私が食べる様子を見せることで、徐々に興味を持ってくれました。
ステップ2:大人が食べさせる→自分でも持たせる(生後10ヶ月~1歳頃)
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大人がスプーンで食べさせながら、時々赤ちゃんにも持たせてみる。
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スプーンに食べ物を乗せて渡し、自分で口に運ぶ練習を始める。
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最初は手を添えてサポートしてあげると安心です。
相談例
息子は1歳前後からスプーンを持ちたがるように。私がすくったものを渡し、自分で口に運ぶ練習を繰り返しました。最初は手でつかんで食べてしまうことも多かったですが、根気よく続けることで徐々に上達しました。
ステップ3:自分で食べてみる(1歳~1歳半頃)
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スプーンを自分で持って、食べ物をすくい、口に運ぶ練習を本格的にスタート。
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すくいやすい食材(カレー、ヨーグルト、ゼリーなど)や深めの器を使うと成功体験を積みやすい。
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こぼしたり、手づかみに戻ったりしても叱らず、できた時はたくさん褒めましょう。
相談例
1歳7ヶ月でスプーン練習を本格化。最初はカレーやヨーグルトなど、スプーンにくっつきやすい食材で練習しました。椅子の高さを調整したら、食器から口までの距離が近くなり、こぼす頻度が激減!環境を整えることの大切さを実感しました12。
スプーン練習の成功ポイント
1. 焦らず、繰り返し練習する
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赤ちゃんのペースに合わせて、無理強いしないことが大切。
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遊びながら、楽しみながら進めましょう。
2. 食べやすい食材・食器を選ぶ
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すくいやすい、とろみのある食材や、深めの器がおすすめ。
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食べ物の大きさや硬さも調整しましょう。
3. 汚れてもいい環境を整える
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テーブルや床にビニールシートを敷いたり、大きめのエプロンを用意したり。
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汚れてもイライラせず、片付けも楽になる工夫を。
4. できたらたくさん褒める
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ほんの少しでもスプーンで食べられたら、「すごいね!」「上手だね!」とたくさん褒めてあげましょう。
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失敗しても叱らず、成功体験を積み重ねることが大切です。
スプーン選びのコツと失敗談
スプーン選びのポイント
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赤ちゃんの口に合ったサイズ、持ちやすい太さ・長さのものを選ぶ。
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シリコンやプラスチックなど、柔らかく安全な素材がおすすめ。
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持ち手に滑り止めやカーブがついたものは、初めての練習に最適。
体験談
1歳になった娘に家にあったスプーンを使わせたら、うまく食べられずイライラ…。ネットで評価の高い練習用スプーンに変えたところ、持ちやすくなったのか、みるみる上達しました。スプーンの形状や素材選びは本当に大切です。
失敗談とその対策
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合わないスプーンを使い続けて癖がついてしまったケースも。持ちやすいスプーンを早めに選ぶことが大切。
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子どもによってはスプーンの素材や色に好みがあります。いろいろ試してみましょう。
スプーン練習がうまくいかないときのQ&A
Q. スプーンが苦手、なかなか上達しないときは?
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無理に練習を続けると、食事自体が嫌いになってしまうことも。
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手づかみ食べを十分に経験させ、焦らず見守りましょう。
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お友達や兄弟の動画を見て研究したり、椅子やテーブルの高さを調整したら急に上達したという声も。
Q. いつまでにスプーンが使えるようになればいい?
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1歳半~2歳頃に上手に使える子が多いですが、2歳を過ぎても個人差があります。
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発達には大きな幅があるので、焦らず赤ちゃんのペースを尊重しましょう。
歯科衛生士・口育士として伝えたい「食べる力」の育て方
口の発達とスプーン練習
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前歯でかじりとり、奥歯ですりつぶすという動きは、スプーン練習と密接に関わっています。
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スプーンを使うことで、口の周りや舌の筋肉も発達。将来の咀嚼や発音にも良い影響があります。
相談例
歯科衛生士として、スプーンを使い始めた時期や練習方法によって、子どもたちの口腔発達に違いが出ることを実感しています。手づかみ→スプーン→フォーク→お箸と、段階を踏むことが大切です。
保育園・幼稚園でのスプーン練習の現場から
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保育園では、2歳児クラスでスプーン練習を積極的に行っています。読み聞かせや遊びを取り入れ、楽しみながら練習することで、子どもたちも意欲的に取り組んでいます。
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家庭でも「スプーンタイム」や「1食だけスプーンで食べてみよう」など、無理のない範囲でチャレンジするのがおすすめです。
まとめ:スプーンデビューは「焦らず、楽しく」が合言葉
スプーンデビューの時期や上達のスピードには個人差があります。大切なのは、「食べるって楽しい!」という気持ちを育てること。手づかみ食べを十分に経験し、赤ちゃんのペースに合わせてスプーン練習を進めていきましょう。
私自身や多くの保護者の体験から、環境を整え、たくさん褒めて、失敗も成功も一緒に楽しむことが、スプーン上達への近道だと感じています。
赤ちゃんの「できた!」の笑顔をたくさん引き出せるよう、ぜひ今日からスプーン練習を楽しんでみてください。
この記事は歯科衛生士・口育士の視点と、実際の子育て・保育現場での体験をもとに執筆しています。お子さま一人ひとりの発達や個性を大切に、無理なく楽しい食事時間をお過ごしください。
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