発語が遅い?口の動きから見直す家庭ケアのポイント

口育マッサージ・家庭でできるケア

子どもの発語がゆっくりだと感じたとき、親として「何か問題があるのでは?」と不安になることも少なくありません。

我が家の長男は保育園に生後半年から通っていました。1歳前後になると保育園に通っている同じ月齢くらいのお子さんは、「ママ!」「マンマ!」などの声が聞こえてきました。その時長男はまだ全然おしゃべりできなかったので、ほかの子がしゃべっているのを聞いてほかの子の成長の早さか、我が子の成長の遅さかわからずに、とにかくびっくりしてしまいました。

保育園の先生は私に「この時期の1か月の月齢の違いは大きくて、おしゃべりは個人差が大きいので心配しなくて大丈夫ですよ」と声をかけてもらいホッと一安心しました。

この記事では、専門家の知見と私自身の体験談を交えながら、家庭でできる口の動きのケアや発語を促す工夫について詳しく紹介します。

発語の遅れと口の動きの関係

口や舌の筋肉の発達がカギ

発語が遅い場合、耳や鼻のトラブル、知的発達・機能発達などさまざまな要因が考えられますが、口や舌の筋肉の発達も大きなポイントです。

長男は言葉を話すのが少し遅かったので心配になり耳鼻科に行って機能を確かめてもらいました。「耳や鼻の機能に問題ないけど、少し耳垢があったので掃除しておきました。話すのが遅いのは口の動きや脳の発達も関係しているのです。」と言われました。話すのが遅いのは耳が聞き取れないからだと思っていたのですが、さまざまな要素があるのだなと初めての育児で勉強になったのを覚えています。

発語に必要な力とは

発語には、耳で聴いて理解する力、知的発達や記憶力、そして口や舌の筋肉の発達などが絶妙に成長しながら発語に発展していきます。

長男の保育園で月齢が同じなのにとてもよくお話する女の子がいました。保育園の先生に「うちの子と同じ月齢なのに上手にお話できてすごいですね!」と伝えました。「○○ちゃんは3番目でおじいちゃんおばあちゃんとみんなで住んでいるのですよ。やっぱり周りでたくさん話し声が飛び交うと話すことも早くできるようになるんですよ」と教えてくれました。

我が家は夫と私、長男の3人でした。それからは話しができない長男にもどんどん話しかけたり、一人ごとを優しく長男に話しを聞かせるようにしていました。するとゆっくりですが聞き取れない喃語をたくさん発声してくれるようになりました。

家庭でできる口の筋肉トレーニング

食事で鍛える口の力

食事は口や舌の筋肉を鍛える絶好の機会です。硬い食べ物や弾力のあるものをよく噛んで食べることで、自然と筋肉が鍛えられます。

私の家庭では、おせんべいや野菜スティックをおやつに取りいれ、噛む回数を増やす工夫をしました。最初は嫌がることもありましたが、「一緒にカリカリ噛もうね」と声をかけながら楽しく取り組むことで、徐々に慣れてきました。

ぶくぶくうがいの練習

ぶくぶくうがいは、唇や頬、あご、舌など口のまわりの筋肉を総合的に鍛える運動です。最初はスプーンから水を口に入れて唇を閉じ、唇を閉じることに慣れてきたら、口の中で水を左右に動かす練習や、ほっぺを膨らませて空気を左右に移動させる練習も効果的です。

我が家の3人の子ども達もお風呂にコップを持っていき、こぼしても気ならないようにしながらぶくぶくうがいやガラガラうがいの練習をしてうがい大会を楽しみながらたくさん口を動かしていました。

ガラガラうがいで「カ行」発音の練習

ぶくぶくうがいができるようになったら、次はガラガラうがいに挑戦しましょう。ガラガラうがいは、舌の奥を上あごに持ち上げる動きが必要で、「カキクケコ」の発音に役立ちます。

末っ子の長女は上を向くのが苦手でなかなかガラガラうがいができませんでした。まずは上を向く練習から始めました。スムーズに上を向くのができるようになってから少しずつ口の中に水を入れて、徐々にガラガラ言ってみてそれから強くガラガラのどを動かすように上手になっていきました。

ガラガラうがいが強く上手になってきたころ、舌ったらずの発音が聞き取りやすい発音になってきました。ベロの動きと発音は大きく関係しているのだと娘を通して実感しました。

遊びで口の筋肉を育てる

にらめっこや顔ジャンケン、いないいないばあ、大声で笑う遊びなどは、口の周りの筋肉をたくさん使います。

私の家庭では、毎晩「おもしろ顔大会」を開催し、パパと子ども達で変顔や頬を膨らませる遊びを取り入れて、積極的に口を動かすようにしていました。子どもも大人も一緒に楽しめるので、自然と口の動きが豊かになりました。

吹くおもちゃや声を使うおもちゃ

ラッパや笛、シャボン玉、吹き戻しなどの吹くおもちゃは、息をコントロールする力や唇の筋肉を鍛えます。

また、おもちゃのマイクやボイスチェンジャーで遊ぶことで、声を出す楽しさや自分の声への興味も育ちます。末の娘はシャボン玉遊びが大好きで、遊びながら息を長く吐く練習にもなりました。毎週末パパと庭でシャボン玉遊びをよくやっていました。

日常生活で気をつけたいポイント

大人の口の動きを見せる

子どもは大人の真似をしながら言葉を覚えていきます。発音が気になるときは、親が大げさに口を動かしながら話すことで、正しい口の動きを学ぶことができます。私も子どもと向き合って、ゆっくりはっきりと発音するように心がけています。

長男は「玉ねぎ」がうまく言えずに「たまげに」とよく言っていました。野菜図鑑を利用してゆっくり何回も「た・ま・ね・ぎ」と練習しているうちに、上手にたまねぎと言えるようになりました。

リアルなコミュニケーションを大切に

動画やスマホなどのデジタル機器に頼りすぎず、親子で手遊び歌や歌遊び、会話を楽しむ時間を意識的に作りましょう。手遊び歌やにらめっこは、脳の発達やことばの力を伸ばすだけでなく、顔全体の筋肉を使うので口の発達にも役立ちます。

外遊びや体を動かす遊びも効果的

体を使った遊びは、脳や筋肉の発達に欠かせません。追いかけっこや高い高い、体をくすぐる遊びなど、全身を使って遊ぶことで、自然と口の筋肉も発達します。

次男は長男と長男のお友達と一緒になってなんでも遊んでいました。次男はお話もとっても上手に話せて、発音も幼い時からクリアでした。長男と次男の成長の具合を振り返ると身体を動かすことは、口の筋肉を動かすことにも影響しているんだなあと感じていました。

体験談:わが家の発語サポート実践記

長男が言葉を話すことが遅いなと感じていたので、健診で相談したところ「口の筋肉を鍛える遊びや食事を意識してみてください」とアドバイスをもらいました。

健診で言われたので、どんな遊びがいいですかと歯科医院で歯医者さんに聞いてみました。ゴム風船を膨らませたり、吹き戻しなども口の筋肉にはいい遊びですと言われました。

最初はうまくいかないことも多かったですが、毎日少しずつ取り組むうちに、子ども達の発音が少しずつはっきりしてきました。特に、ぶくぶくうがいの練習や、シャボン玉遊び、にらめっこは親子で楽しみながら続けられたので、ストレスなく続けられました。

また、家族みんなで食事を楽しむ時間を増やし、硬いものやいろいろな食感のものを取り入れたことで、噛む力や舌の動きも強くなったように感じました。

まとめ

発語が遅いと感じたときは、焦らずに口や舌の動き、日々の生活習慣を見直してみましょう。食事や遊び、うがいの練習など、家庭でできる工夫を取り入れることで、口の筋肉が自然と鍛えられ、発語や発音の力が伸びていきます。

大切なのは、親子で楽しみながら続けること。子どものペースに合わせて、たくさん声をかけ、たくさん笑い合いながら、ことばの力を育んでいきましょう。

(この記事は実体験と最新の専門家の知見をもとに執筆しています。発語や発音に不安がある場合は、健診や専門機関に相談することも検討してください。)

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