子どもの口の乾燥対策|歯科衛生士・口育士直伝:潤いを守る習慣と唾液を増やすコツ

体とお口の関係

はじめに

私の長男は冬になると「お口がカラカラする」「唇がひび割れて痛い」と訴えることが多く、親としてどうサポートすればいいのか悩みました。

また暑い時期は部屋の中にいても汗びっしょり。麦茶が子ども三人ですぐ無くなっていました。子どもの「口の乾燥」が気になることはありませんか?

最近では、口呼吸や水分不足、生活習慣の変化によって、お口の中が乾きやすい子どもが増えています。唾液の分泌が減ると、虫歯や口臭だけでなく、歯並びや発音の発達にも影響することがあります。

この記事では、実体験を交えながら、歯科衛生士・※口育士の視点から、口が乾いたり、身体が水分不足になると口の中はどんな変化が起きるのか、口腔乾燥対策や唾液分泌を促すコツ、家庭でできる保湿ケアについてわかりやすくご紹介します。

男の子ふたりが公園で汗びっしょりの中、ペットボトルのお水をごくごく飲んでいる写真

「口育(こういく)」とは、日本口育協会が提唱する、0歳からの乳幼児期からお口周りの筋肉や機能を正しく発達させ、呼吸・嚥下・咀嚼・発音といった口腔機能を健全に育てる健康管理術です。哺乳、離乳食、指しゃぶりなどの口腔周囲筋のケアを通じて、正しい歯並びや健康な全身発育を生涯にわたって維持することを目指す考え方です。

なぜ子どもの口が乾きやすくなるのか

季節や生活習慣の影響

「ママーのど乾いた!」と暑い夏にグビグビ飲んでいると、「暑いからのど乾くね」と麦茶をたくさん作りました。でも冬でも「のど乾くー。」と子どもは言ってきます。実はエアコンや乾いた空気の中では子どもは口が乾くのだなと感じました。

また春もよくのどが渇いていました。長男はスギ花粉症だったので、鼻づまりなどの花粉症の症状が出ると、口で呼吸するので口が乾いていました。

1年を通して比較的に口は乾きやすい環境なんだと改めて感じました。

唾液の役割と分泌が減るリスク

口やのどが渇くことと、虫歯になりやすさは関係ないと思っている方もいるかもしれません。長男の花粉症の症状がひどい時に歯科健診に行ったときに「口が乾くと、虫歯になりやすいんだよ。今は虫歯になっていないけど、唾液には虫歯抑制や歯を強くする力をもっているんだよ」と歯医者さんに言われました。そこでハッとしました。

花粉症のない次男はおやつ食べた後、口の中におやつは残ってないことが多かったです。長男は口が乾いている時はおやつが歯に残っていることが多かったです。これが虫歯になりやすさになっていくんだろうなあと感じました。

日本歯科医師会:唾液量と虫歯の関係

口腔内の保湿ケアの工夫(個人の感想)

リップクリームや保湿剤の活用

長男の仕上げ磨きをするときに、「大きく口開けて」というと、「くちびるが痛くて開けられない」というのです。よく見ると、唇が乾燥してひび割れていて、ひび割れたところから出血していました。できる範囲での歯みがきをしました。それからはリップクリームを塗ったり、唇をいじりすぎたりしないように気にしてみると少しづつ唇の乾燥も落ち着いてきたように感じました。

リップを塗るタイミングもすぐなめてなくならないように、寝る前や食事前などタイミングを見ながら塗るようにしていました。

マスクで湿度を保つ

冬場の外がとても乾燥しているときは、子ども達が「口の中がヒリヒリする。」というくらい口の中が乾燥していました。そんな時はマスクをしていました。マスクをしてしばらくすると保湿されて口の中が楽になったのか、「痛くなーい」とマスクの重要性を感じました。

キシリトール入りの飴をなめるのも、お口の潤いを助けてくれる工夫の一つとして、小学生くらいになったら試してみてください。

加湿器や室内環境の工夫

冬の寒い日は外で遊ばずに家の中で遊ぶこともありました。遊んでいると「口が乾く!」と3人で言いにくることが多かったです。室内の乾燥も子ども達にはつらい環境なのだと気づかされました。そこで加湿器をつけて、部屋の湿度をあげていくと、また元気に三人で室内遊びを楽しんでいました。

湿度をあげるには、洗濯物を干したり、キッチンでお湯を沸かしたりするのも、手軽に湿度をあげられる方法です。

唾液分泌を促すための生活習慣

水分補給をこまめに

子どもはいつでも活動的です。我が家の3人もいつも元気いっぱいです。のどが渇いたと感じる前に麦茶で水分補給をしていましたが、ある時水分補給後、次男が麦茶を戻してしまいました。

小児科の先生に相談すると「病気ではありません。子どもの胃は小さいので少しずつ水分を補給するように注意してあげてくださいね」と言われました。ごくごく飲みたい分だけあげるのではなく、こまめに少しずつの水分補給に切り替えました。

暑い夏などは寝室に水筒を持っていき、夜中寝苦しくて起きてしまったときに、少し水分をあげるだけで、また静かに眠ることもしばしばありました。少しずつこまめにを今でも意識しています。

水のペットボトルの写真。虫歯予防の観点などから水分補給には水が著者のおすすめです。

よく噛んで食べる

食事の際は、よく噛んで食べることで唾液腺が刺激され、唾液の分泌が増えます。柔らかいものばかりでなく、噛みごたえのある食材を取り入れるのもおすすめです。

私の家庭では、野菜スティックやおにぎりを大きめに握るなど、噛む回数が増える工夫をしています。

ガムや昆布で唾液腺を刺激

ガムを噛めるお子さんなら、キシリトールガムや「だし昆布」をカミカミするのも一案です。お口を動かすことで唾液腺が刺激され、自然と潤いが出やすくなります。

私も子どもと一緒にガムトレーニングを試したところ、「お口が潤う感じがする」と子ども達は喜んでいました。

ただしキシリトールは多く摂取しすぎると、お腹がゆるくなることがあるので、適量にしましょう。

舌や口周りの体操

お口が閉じているかどうかで、乾燥の具合も左右されます。唇も大切な筋肉の一部です。遊び感覚で唇の力を育てて、自然と口が閉じる状態をサポートしてあげましょう。舌を動かす運動や「あいうべ体操」など、お口周りを楽しく動かす習慣を取り入れることも、健やかな潤いキープにつながります。

「あいうべ体操」は、福岡のみらいクリニック院長・今井一彰先生が考案した、口の周りの筋肉と舌を鍛えて口呼吸を鼻呼吸に改善する健康法です。1日30回(1セット1秒ずつ、朝昼夜食後に各10回目安)、「あー・いー・うー・べー」と口と舌を大きく動かすだけで、免疫力向上や口臭・ドライマウス改善、小顔効果も期待できます。 動作は「あー・いー・うー・べー」の順に、大きく動かすのがポイントです。 

リラックスする時間を作る

ストレスや緊張が続くと、唾液の分泌が減りやすくなります。お子さんがリラックスできる時間や、好きな遊びを取り入れて、心身ともにゆったりと過ごすことも大切です。

口呼吸の改善も大切

鼻呼吸を促すトレーニング

鼻づまりなどで口呼吸になりやすい時は、鼻呼吸を意識できるような工夫をしてみましょう。
深呼吸や鼻を通す遊び、ガムトレーニングなどを取り入れることで、無理なくお口を閉じる習慣がつき、乾燥しにくい環境づくりに役立ちます。

睡眠時の工夫

次男が歯科健診の時に、歯医者さんの先生に「寝ている時は口は閉じているようにすると虫歯になりにくいから、枕の高さや鼻づまりや口テープなんか色々工夫してみてね」と教えていただきました。

寝ているときに口を閉じることは、実は虫歯や口臭を予防する上でとても大切です。お口を開けたまま眠ると、口の中の水分が逃げて乾燥が進み、大切な唾液も少なくなってしまいます。

唾液は「お口の天然のバリア」と呼ばれるほど大切な役割があり、食べカスを洗い流したり、唾液が酸を中和して歯が虫歯にならないよう守っています。

次男は熟睡すると口が開いていたので、夜中口が乾いて起きることがあったので、口テープを上下の唇に貼って寝たところ、翌朝のど乾かなかった!とすっきり起きられたようでした。

私自身は寝る前に鼻の通りを良くするためのスチーム吸入を取り入れたところ、朝の口の渇きが軽減したように感じます。

マスクと口テープの写真。写真があることで読者がイメージしやすいです。

体験談:我が家の乾燥対策チャレンジ

冬になると息子の唇がひび割れ、口の中もカラカラになりがちでした。最初はリップクリームや保湿剤を塗っても、すぐに舐めてしまい効果を感じられませんでしたが、寝る前と朝起きた時に塗るようにしたら、ひび割れが気にならないように感じました。加湿器を使い始めてからは、朝の口の乾きもだいぶ和らぎました。

また、食事の時に「よく噛んで食べようね」と声をかけを続けました。さらには、キシリトールガムをおやつに取り入れたり、親子で「あいうべ体操」を続けることで、息子自身も「お口が潤ってきた」と実感できるようになりました。

水筒を持ち歩く習慣も、外出先や学校でも口の乾きを防ぐのに役立っています。

おさらい:家庭でできる潤い対策まとめ

最後に、ご紹介した内容を表にまとめました。

対策カテゴリー 具体的なアクション 潤いへのヒント
外部からの保湿 リップ・加湿器・マスク 乾燥から優しく守る
唾液を出す工夫 よく噛む・あいうべ体操 自浄作用や免疫力のサポート
生活習慣 こまめな水分補給 全身の水分バランスを整える

まとめ

子どもの口が乾きやすいと感じたら、まずは生活環境や習慣を見直し、保湿と唾液分泌アップの工夫を取り入れてみましょう。リップクリームやマスク、加湿器などで外部からの乾燥を防ぎつつ、よく噛む食事や舌体操、水分補給、リラックスした時間を意識することで、口腔内の潤いを保つことができます。

家族みんなで楽しく続けられる方法を見つけて、健やかな口腔環境を守りましょう。

家庭での発育サポートの一例であり、特定の疾患を治療するものではありません。本記事は情報提供を目的としており、個別の診断や治療にはかかりつけ医への相談をおすすめします。

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