- はじめに
- 口周りストレッチが親子に必要な理由
- 口の発達と全身の健康の関係
- 寝る前3分!親子でできる口周りストレッチのやり方
- ストレッチ前の準備
- 基本の口周りストレッチ3選
- 1. 「あいうべ体操」~顔全体を大きく動かす~
- 2. 「ほっぺふくらまし&しぼませ」~頬筋・口輪筋を鍛える~
- 3. 「口角アップ・にっこりトレーニング」~表情筋を豊かに~
- プラスα!寝る前のリラックスマッサージ
- 口周りストレッチを続けるコツ
- 親子で「遊び」として取り入れる
- 継続のポイント
- よくある質問と私の回答
- Q. 何歳から始められますか?
- Q. 効果が出るまでどれくらいかかりますか?
- Q. 口周りストレッチで歯並びは本当に良くなりますか?
- 私が実践して感じた「親子ストレッチ」の本当の価値
- 1. 親子のコミュニケーションが深まる
- 2. 子どもの自信とやる気が育つ
- 3. 健康面での変化を実感
- まとめ:寝る前3分の習慣が、親子の未来を変える
- おわりに
はじめに
毎日の忙しさの中で、親子でゆっくり向き合う時間を持つのは意外と難しいものです。
しかし、寝る前のたった3分間を活用して「口周りストレッチ」を親子で取り入れることで、子どもの健康や表情の豊かさ、そして親子の絆を深めることができます。
私は歯科衛生士・口育士として、日々多くの親子に口育の大切さを伝えてきました。今回は、私自身の家庭や患者さんとの体験を交えながら、寝る前3分でできる親子の口周りストレッチの方法と、その効果、続けるコツを詳しくご紹介します。
口周りストレッチが親子に必要な理由
口の発達と全身の健康の関係
現代の子どもたちは、やわらかい食事や便利な生活習慣の影響で、口周りの筋肉が十分に使われず、口呼吸や歯並びの乱れ、滑舌の悪さなど、さまざまな問題が増えています。
また近年丸のみによる窒息事故も増加しています。
口周りの筋肉を鍛えることで、以下のようなメリットが得られます。
-
正しい鼻呼吸の習慣化
-
歯並びや噛み合わせの改善
-
表情が豊かになり、コミュニケーション力が向上
-
免疫力アップや集中力向上
-
いびきや口呼吸による健康トラブルの予防7
私自身、歯科衛生士として多くの子どもたちの口腔内を見てきましたが、口周りの筋力が弱い子は、歯磨き指導の際にも口が開きっぱなしだったり、唇がうまく閉じられなかったりすることが多いです。そんな子どもたちが、家庭で親子一緒にストレッチを続けることで、明らかに変化が見られるようになりました。
寝る前3分!親子でできる口周りストレッチのやり方
ストレッチ前の準備
-
パジャマに着替えて、布団の上やリビングの床など、リラックスできる場所で行いましょう。
-
鏡を用意すると、表情や口の動きを確認しながらできて効果的です。
-
親子で向かい合い、「一緒にやろうね!」と声をかけてスタートしましょう。
基本の口周りストレッチ3選
1. 「あいうべ体操」~顔全体を大きく動かす~
やり方
-
「あー」と口を大きく開ける
-
「いー」と口を横に大きく広げる
-
「うー」と口をすぼめて前に突き出す
-
「べー」と舌を思いきり下に出す
これを1セットとして、3~5回繰り返します。
指導例
あいうべ体操を家族で習慣にしたところ、口呼吸が減り、風邪にかかりにくく冬を越すことができましたと、定期健診の時お母さんに言われました。よかったです。
2. 「ほっぺふくらまし&しぼませ」~頬筋・口輪筋を鍛える~
やり方
-
口を閉じて、右のほっぺに空気をためて5秒キープ
-
左のほっぺに空気を移して5秒キープ
-
上唇と歯の間、下唇と歯の間にも空気をためて、それぞれ5秒キープ
-
これを2セット繰り返す
体験談
患者さんの中には、最初はほっぺをうまく膨らませられず苦戦するお子さんもいました。しかし、親御さんと一緒に「どっちが大きく膨らませられるか競争しよう!」とゲーム感覚で続けることで、1週間ほどでみるみる上達。口笛や風船膨らましもできるようになり、本人の自信にもつながっています。
3. 「口角アップ・にっこりトレーニング」~表情筋を豊かに~
やり方
-
口を閉じて、唇の力を抜く
-
口角を左右交互に上げる(鏡を見ながらやると効果的)
-
10回繰り返す
指導例
毎晩寝る前にこのトレーニングを親子で続けた結果、自然な笑顔が増え、幼稚園でも「○○ちゃん、よく笑うね!」と先生からいわれたそうです。親子で「今日の一番いい笑顔はどっち?」と褒め合うのもおすすめです。
プラスα!寝る前のリラックスマッサージ
-
頬を両手でやさしく包み、円を描くようにマッサージ
-
こめかみに手のひらを当てて、円を描くように30秒ほぐす(このとき口を大きく開け閉めすると効果UP)
-
顎の下を軽くさすって、舌や顎の緊張をほぐす
体験談
仕事で疲れて帰宅した日でも、このマッサージを親子でやると、心も体もほぐれて「今日も一日ありがとう」と自然に感謝の気持ちが湧いてきます。子どもも「ママの手、あったかくて気持ちいい」と言ってくれて、親子のスキンシップの時間にもなっています。
口周りストレッチを続けるコツ
親子で「遊び」として取り入れる
-
「誰が一番大きな口が開けられるか」「変顔コンテスト」など、ゲーム感覚で楽しく続ける
-
お気に入りの音楽やリズムに合わせてやると飽きずに続けやすい
-
ストレッチ後に「今日のよかったこと」をお互いに話すと、心もリラックス
継続のポイント
-
最初は無理せず1~2回からスタートし、慣れてきたら回数を増やす
-
子どもが疲れている日は、マッサージだけでもOK
-
親が率先して楽しむ姿を見せることで、子どもも自然とやる気に
よくある質問と私の回答
Q. 何歳から始められますか?
A. 口を動かすことができる2~3歳ごろから始められます。小学生や大人ももちろん効果的です。私の家では、3歳の娘から70代の祖母まで、家族みんなでやっています。
Q. 効果が出るまでどれくらいかかりますか?
A. 個人差はありますが、1週間ほどで「口が閉じやすくなった」「いびきが減った」「朝の口臭が気にならなくなった」などの変化を感じる方が多いです。私の患者さんでも、2週間で歯並びや発音に変化が見られたケースもあります。
Q. 口周りストレッチで歯並びは本当に良くなりますか?
A. 口周りの筋肉を鍛えることで、舌や唇の正しい位置が身につき、歯並びや噛み合わせの改善が期待できます。しかし残念ながら骨格をかえることはできません。
ただし、個々の状態によるので、気になる場合は歯科医院で相談してください。
私が実践して感じた「親子ストレッチ」の本当の価値
1. 親子のコミュニケーションが深まる
毎晩のストレッチタイムは、親子で顔を見合わせて笑い合い、自然と会話が生まれる貴重な時間です。私自身、子どもとの距離がぐっと近づき、「今日も一緒にできてうれしいね」とお互いに思えるようになりました。
2. 子どもの自信とやる気が育つ
できなかった動きができるようになったり、表情が豊かになったりすることで、子ども自身が「できた!」という達成感を味わえます。
私の患者さんでも、口周りのトレーニングを続けたことで、学校での発表や友達との会話に自信が持てるようになった子がたくさんいます。
3. 健康面での変化を実感
患者さんは以前、風邪をひきやすく、寝ている間も口が開いて乾燥しがちでしたが、ストレッチを始めてからは鼻呼吸ができるようになり、体調を崩すことが減りました。患者さんからも「夜ぐっすり眠れるようになった」「朝の目覚めが良くなった」という声をよくいただきます。
まとめ:寝る前3分の習慣が、親子の未来を変える
口周りストレッチは、特別な道具もお金も必要ありません。親子で顔を見合わせて、たった3分間、口や顔の筋肉を動かすだけで、健康・表情・コミュニケーション、すべてに良い変化が訪れます。
私自身、歯科衛生士・口育士として、そして一人の母親として、この習慣が家族に与えるポジティブな影響を日々実感しています。
今日からぜひ、親子で「寝る前3分の口周りストレッチ」を始めてみてください。きっと、毎日の生活がもっと明るく、楽しく、健康的になりますよ!
おわりに
この記事が、親子で楽しく健康を育むきっかけになれば幸いです。もし実践してみて気づいたことやご質問があれば、ぜひコメント欄で教えてください。これからも、歯科衛生士・口育士として、皆さんの口育ライフを応援していきます!
※本記事は歯科衛生士・口育士の実体験と専門的知見に基づいて執筆しています。個別の症状やご相談は、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士にご相談ください。
【参考文献・体験談協力】
・患者さん、親子教室の皆さん
・私の家族
・歯科衛生士・口育士としての臨床経験
コメント